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2009年9月 8日
インプラントの素材って?
インプラントの材質は、チタンという金属です。
歯がないと、どうなるの?
かみ合わせのバランスが崩れたり、虫歯になりやすくなったり、生活面だけではなく様々な影響がでてきます。
かみ合わせが悪いとどうなるの?
・歯並びがくずれ、かみ合わせがずれる(顎偏位症)
かみ合わせで失った歯の反対側の歯が、かみ合う歯がなくなるので伸びてきます。また、失った歯の隣の歯が、失った歯の方向へ傾いてきます。
・歯間が広がり歯垢がたまりやすくなる
上記のように残った歯の移動により、歯垢のたまりやすい、むし歯になりやすい口内環境ができてしまいます。
・かみ合わせがずれる
かみやすいほうの歯でばかりかむので、さらにかみあわせがずれてしまいます。
またかみ合わせのずれは、顎関節症(がくかんせつしょう)の原因となり、肩こり、あごの関節の痛み、関節音(口を開閉するときに音がなる)といった症状がでてきます。
日常生活には、どんな影響があるの?
・ふんばれないので力が入りにくくなる
当然歯をくいしばる力が弱くなってしまいます。知らず知らずのうちに歯を食いしばって力をだすものですが、その力が弱くなってしまいます。
・胃腸への負担が大きくなる
食べ物を良く噛むことができず、うまく咀嚼されずに胃腸へ送ってしまいます。そのため胃腸には大きな負担がかかり、さらに唾液の分泌が不足するようになり、消化不良を起こしがちになってしまいます。
見た目への影響は?
・コミュニケーションに消極的になる
人前で口を大きく開けれなかったり、発音が不明瞭なため無口になったり・・・。人とコミュニケーションをとるのに臆病になってしまい、表情が暗くなってしまいがちになります。
・歯ぐきがやせる
歯肉の中にある骨の量が少なくなるためにそれにあわせて歯肉が小さくなったように見えるのです。歯肉の退縮は、歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の進行でも起こります。
・顔の変化
歯を失って時間がたつと歯肉がやせるので、頬がこけて見えたり顎がたるんで見えたりします。
インプラント治療の注意点
インプラント治療のキーポイントは骨量=歯ぐきの厚みと高さです。
インプラントは歯ぐきの中の骨に埋め込む物なので、骨量が足りないとインプラントが固定されません。
骨量が足りないと骨造成が必要になるか、大幅に足りないときはインプラント治療が不可能になることもあります。
最初から骨量の足りない方はおられませんが、歯を抜いたまま放置すると歯ぐきが退縮して骨量が足りなくなります。
つまりもう一つのインプラント治療におけるキーポイントは、治療を行うタイミングだとも言う事ができます。
患者さまが適切な時期に決断を下すことによって、インプラント治療の成功率、費用、期間の短縮、長持ち度、すべての面で極めて有利になるのです。
治療部位・歯ぐきの状態など、様々な条件に左右されるので一概には言えませんが、骨の退縮・感染のリスクなどを総合的に判断すると、抜歯してから1ヵ月後にインプラント埋入を行うのが最適なことが多いです。
インプラントは何年もつの?
インプラントが実用化されて約40年経ちます。ですからインプラントの長持ち記録は約40年です。
ただ様々な条件に影響を受けるので、40年も持つことは稀です。
インプラントの長持ちに影響を与える大きな要素は
・歯周病
・喫煙
・上手なハミガキ
・メンテナンス
・骨量
・骨質
・糖尿病などの全身の健康状態
などがあります。
例えば交通事故で前歯が折れた、歯周病にかかっていない20歳の患者さまにインプラント治療を行った場合、相当長持ちすると思われます。
その理由は、事故で歯を失ったということは歯周病にかかっている訳ではなく、前歯ということでハミガキもしやすく、20歳ということは骨量にも全身的な健康にも問題ないと思われるからです。
逆に、歯周病で奥歯を失った70歳の患者さまにインプラント治療を行った場合、長持ちさせるためには努力が必要です。
歯周病で歯を失ったということは、今まで以上にハミガキしていただかないとインプラントも歯周病になる可能性が高く、奥歯ということでハミガキもやり辛い、なおかつ年齢的に骨量・全身的な健康状態の面でも不利です。
このような場合、当院ではまず歯周病治療を行い、条件面が改善されてからインプラント治療を行います。
このように様々な条件の影響を受け、インプラントの寿命が決まるのです。
インプラントが何年持つかは、患者さま次第なのです。
インプラントに失敗はないのでしょうか?
インプラントは高度な技術を要する手術ですので、残念ながら100%成功する訳ではありません。
1番多い失敗の原因は初期固定で、インプラント埋入手術の後、所定の期間を経てもインプラントが骨と結合せず、脱落することを指します。
京都大学医学部の口腔外科が発表したデータでは、インプラント埋入後に初期固定を得る確率は約97%となっています。
つまり残念ながら約3%はうまくいかないこともあるのです。
私の経験から言っても、ちょうどそれくらいの確率で初期固定を得られなかったことはあります。
失敗の原因は歯周病・喫煙・感染・骨があまりにも硬いなどいろいろありますが、何と言っても歯周病が最も多い原因です。
初期固定に失敗した場合は、再度歯周病治療などにご協力いただき、もう1度インプラント埋入を行うことになります。
しかし、大幅に骨量が足りないなどの難症例においては、再度インプラントによるリカバーが難しいこともあります。
その場合はブリッジか入れ歯の代替え治療で、誠心誠意対応させていただくことになります。
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